支配者
イジメによってはじめて知った、クラスの支配者
「やだぁ、やっぱり忘れたぁ」

ランドセルの中身をゴソゴソといじる。

けれど手帳は無い。

ピンク色の手帳には赤い蝶々が印刷されていて、いつもそれこそ肌身離さず持っていた。

でも校舎を出る前に、ふと違和感を感じた。

そしてランドセルをあさってみたら…案の定。

手帳を忘れてた。

「きっと教室だ。取りに行かなきゃ!」

あの手帳は大事な物。

だから手元に無いと、不安でたまらない。

ホントはダメだけど、廊下を走った。

5-2の教室の前で、息を吐いた。

「はあ…」
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