支配者
わたしは私服に着替えて、部屋を飛び出した。

「アレ? ルナ、どこ行くの? もう日付け変わるわよ?」

同居している親戚のルカが、声をかけてきた。

「ちょっと出かけて来るわ! すぐ戻るから!」

「えっええ。気を付けてね」

マンションを飛び出し、自転車に乗って彼女の家まで行った。

自転車で20分の所に、彼女の家がある。

一戸建ての家の前で、彼女がうずくまっていた。

「ルナちゃん…」

「ちょっ、大丈夫?」

彼女に駆け寄ると、随分衰弱しているようだった。

…元々気の優しいコで、イジメなんて出来るコじゃなかった。

なのにムリをして…。
< 15 / 52 >

この作品をシェア

pagetop