支配者
「大人しく、僕のものになるっていうのは? クラスメート達のことは、できれば黙認で」

「してあげたいのも山々だけどね。さすがに知ってて気分の良いものじゃないわ」

わたしも肩を竦めて見せる。

「だからわたしだけに集中してくれない? お互い両思いなんだから、恋愛に集中しましょうよ」

「僕もそうしたいんだけどね。…でも僕は支配力がある。それを試したい時期なんだよ」

厄介なこと…。

しかし本来なら心ときめく恋愛の話のハズなのに、お互いに冷めまくっているのが、実にわたし達らしい。

「わたし、アオイのこと好きよ。だからキライになりたくないの」

「僕もルナのことが好きだよ。一人占めしたい。でもそのお願いは、聞き入れられないよ」

そう言って、アオイは笑った。

付き合いの深さから、この笑みが危険なことを察した。

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