支配者
身構えると、アオイは指を鳴らした。

すると木の影から、5人の男性が現れた。全員黒いスーツを着ている。

「本来は僕のボディーガード。でも僕の命令には忠実に従ってくれるんだ」

「わたしを黙らせる気?」

「まさか」

アオイは心底おかしそうに笑った。

「ルナは親戚のお姉さんと一緒に暮らしているんだよね? ご両親は?」

「死んでると思うわ。しばらく連絡こないしね」

わたしはあっさりと答えた。

「ふふっ。なら好都合。ルナが突然いなくなっても、大丈夫そうだね」

…この言い方だと、拉致・監禁ってとこかな?

やっぱり危険思考の持ち主ね、アオイって。

でもそんなアオイがまだ好き。

……わたしもイかれているわね。
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