支配者
「…どういうこと?」

「お父様とお母様から聞いていないの? わたしの血族のこと」

「血族…?」

アオイはしばらく考え込んだ。

そしてハッと顔を上げた。

「もしかして…!」

「思い当たった? あなたの一族と、わたしの血族って仲悪いのよねぇ」

彼の表情に、緊張が走る。

「だから5人もボディーガードを付けられたのよ。アオイ、一族の中でも優秀だから」

「どこまで…僕の一族のことを知っている?」

「あなた達がわたしの血族を知っている程度よ」

そう言ってクスクス笑った。
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