支配者
「なるほど。どうりで普通の女の子じゃないわけだ」

「ええ。でも勘違いしないでね? アオイのことを好きなのは本当。だけどあなたには従えない」

わたしは楽しくて笑った。

何だか愉快で仕方無かった。

アオイのこんな戸惑った表情、知っているのはきっとわたしぐらいなものだ。

「わたしにも420年生きた意地があるからね」

アオイの眼がまん丸になった。

するとボディーガード達が襲い掛かってきた。

突進してきた一人を、わたしは地面を蹴って飛び上がって避けた。

そしてそのまま落下に重力を加え、背中に落ちる。

ごきっ!

「ぐはっ!」

一人は地面にうつ伏せに倒れたまま、動かなくなった。

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