支配者
「で、どうする?」

「何がよ?」

「学校だ。お前の希望で小学校に通わせているが、これではもうダメだろう? どこに変える?」

…転校すること前提なのね。

確かに相手が一族の者じゃ、分がよろしくない。

それに血族は目立つことを控えなきゃいけない。

でもそれは…アオイとの永久の決別。

わたしはともかく、アオイはきっともう…二度と会いたくないだろうな。

「…しばらく休んでから、実家に引きこもるわ」

「おっ、大人しくしていてくれるか?」

マカの表情と声に、僅かな喜びが浮かんだ。

「嬉しそうね、マカ」

「ああ。…少し血族の間が騒がしくなっているからな。できれば必要以上の騒ぎは起こしてほしくない」
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