支配者
玄関で見送りに来てくれたマカに、わたしは頭を下げた。

「いろいろトラブル起こしてゴメンなさい。そしてありがとう、マカ」

「何てこと無いさ。お前は血族の中じゃ、物分りの良い方だしな」

そう言ってマカは笑った後、ふと表情を曇らせた。

「…しかし、このままで本当に良いのか?」

「良いのよ。それにマカもソウマも言ってたじゃない。あの一族には関わらない方が良いって」

「それはそうだが…」

「大丈夫! 彼は若いんだから、わたしのことなんてすぐに忘れるわよ!」

わたしはわざと明るく振る舞った。

「ああ…。そうだといいな」

「うん。それじゃ、行くね。今までありがと。実家に着いたら連絡するわ」

「分かった」




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