支配者
「一人で何してるの? 学校サボって。危ないヤツがいるんだから、気をつけなきゃ」

泣き出しそうなのを堪えて、あえて明るく振る舞った。

「…ルナ、どこへ行くの?」

「実家に戻るわ。その方が、お互いの為でしょう?」

アオイの眼が見開かれた。

アレからそんなに経っていないのに、アオイはやつれたように見えた。

そこまで心に傷を負わせてしまったか…。

「じゃ、わたし行くわね。もう二度と会うこともないでしょうけど、元気で!」

最後に笑みを浮かべて見せた。

そのまま振り返って、歩き出すと…。

「待って! ルナ!」

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