支配者
後ろから抱き締められた。

「アッオイ…?」

「…行かないで! 僕の側にいて!」

静かに、でも熱い声。

「でも…あなたは一族の者だし、わたしは血族の幹部だし…」

ロミジュリじゃないけど、結ばれてはいけない相手だ。

「それなら…逃げよう! 二人で!」

「ええっ!?」

アオイはわたしの肩を掴んで、正面を向かせた。

「キミがいない日々を過ごして、気付いた。僕はもうっ…ルナがいないと、ダメだ!」

「アオイ…」

「好き、なんだ…。愛してる、ルナ」

ぎゅうっと抱き締められて、思わず眼が眩む。
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