支配者
「周囲のものが僕等を許してくれないというなら、二人で逃げよう! そして一緒にいようよ」

「アオイ、でも…」

それは不可能に近い。

一族と血族が動けば、必ず見つかってしまう。

「大丈夫!」

けどアオイの眼は燃えていた。

「僕の頭脳と、ルナの力があれば、どんなことだって可能だよ」

「…また言うわね」

「言うよ。ルナと一緒にいられるなら、どんなことだって言うし、やってやる」

静かに、でもとても強い意思を感じる。

「だからルナ。僕と一緒にいて。僕の方が先に逝ってしまう可能性は高いけど…。それでも二人で一緒にいられる可能性を、絶対に見付け出してみせるから!」

…若いって、やっぱり良いな。

ムリだって分かっていることでも、可能にしようと頑張るんだから…。

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