支配者
けれどわたしは相変わらずの態度。

「イジメなんて今時どこにでもあるし、誰が首謀者かなんて知らないのは悪いことでもないんじゃない?」

担任や親でさえ知らないことを、クラスメートだからって知っていて当然ということはない。

「言うねぇ。…じゃ、気付いたんだ? 首謀者が誰か?」

「アナタじゃない」

わたしは彼の眼を真っ直ぐに見て言った。

彼もわたしの眼を見る。

「本当に面白いぐらいに動じないね。僕のこと、怖くないの?」

「アナタを怖がって、わたしに一体何の得があるの?
あるんだったら、教えてほしいわ」

「う~ん…。イジメの標的になるとか?」

「なったとしても、転校すればいいだけの話じゃない」
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