水色の運命
突然の告白に
上手く対応できないでいた。


数秒の沈黙の後

「困らせちゃって
ごめんね」

ユウキはあやまった。


「違うの。
実はアタシもユウキのことを…」


そんなノンのセリフに
ユウキの目は輝いた。


「でも、彼氏いるし
ふたまたとかヤダから…」

気持ちはユウキにある。
でも拓人への"情"も捨てきれずにいるノンは
悩んだ。


「別にこうして欲しいってのは無いから。
ただ自分の気持ちを伝えたくなっただけ」

ユウキはそう言って
笑ってみせた。


そして
また夜の光に目をやり
長い沈黙が流れた。


車を動かしたのは
それから五分後だった。
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