水色の運命
運ばれてきた
食べ物に手をつけないまま時間だけが過ぎる。


黙りこまれるのは時間のムダだが
何かを考えているのだろうと思い
ノンはユウキの言葉を待った。



「はぁー」

ユウキの大きなため息がムダな時間を終わらせる。


「アツシさ格闘技やってたんだよ」

突然、何を言い出すのか意味が分からない。


でも話は続くだろうからノンは黙って
続きをきいた。


「昔さアツシの行動を注意した奴がいて
ボコボコにされちゃったんだよね」


「要するにビビってるって事?」


「そりゃあビビるだろ」


世界で一番好きな男。

でも目の前にいるのは
世界で一番情けない男。

こんな男を好きでいた事を恥じる。


こんな男に時間を使っていた事を悔やむ。



「ゴメン。別れて」


その情けない男に
別れを告げる。


「えっ!?」

情けない男の顔が
余計に情けなくなる。


イエス・ノー

ユウキの返事も聞かず
ノンは店を出た。
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