水色の運命
「クミは
余計な口出ししないけどノンは出しゃばりだね」

500円玉をテーブルに叩きつけて
アイは店を出て行ってしまった。


一人残されたノン。

何が本当で何が嘘か
分からずにいる。


誰を信用して
何を信じたらいいか
分からずにいる。



今までの全てが
嘘のかたまり。


「お客様コーヒーのおかわりは?」


店員さんの声に
ノンは顔を上げた。


「もういいです」

手を横にふる。


そういえばコーヒーって美味しくないのに
注文してる。

みんなが頼むから
みんなに合わせてた。

本当は
紅茶の中に
砂糖とミルクをたっぷり入れて飲みたい。
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