水色の運命
第七章
「すみません。
付き合ってもらって」

山寺慎吾は車のハンドルをにぎりながら助手席の男に頭を下げる。


「ええよ!
気にせんとき」

男は窓の外を眺めながら言う。


後部座席には
女の子が二人座っている。

一人は携帯をいじり
もう一人は鏡を持ち
前髪を整えている。


慎吾はルームミラーで後部座席をみながら

「お前らも先輩に
礼言わなアカンで」

そう注意した。


「送ってもらうのに付き合ってもらっちゃって
すみませーん」

携帯をしまい
甘えた声で言ったのは
美佳だ。

一歳下の慎吾の彼女。


茶髪と言うより
金髪に近い髪。

目のまわりを黒く囲む化粧。


助手席の男は
後輩の慎吾の趣味を
疑った。
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