水色の運命
「ココでいいです」

美樹は車をとめるよう
指示をした。


「ありがとうございました」

ドアを開けてから
美樹はお礼を言った。


「気つけて帰り」

山田はクビを後部座席のドアへ向けた。


そして美樹に向かって

「下の名前は太郎や」

そう言った。


美樹をおろした後に慎吾は思い出し笑いをした。

「気色悪いわ!
どないしたん?」

「先輩、めっちゃ気に入ってますやん。
山田太郎」

慎吾は"山田太郎"がツボに入っているらしい。


「さすがに本名は言われへんやろ?」

山田は笑う。

「そうですかね?」

クビをかしげる慎吾。
< 63 / 94 >

この作品をシェア

pagetop