水色の運命
「こっちは隆太先輩や」

後輩たちは
女の子たちと自己紹介を始めた。


山田はギクッとした。


「こっちが…」

後輩の言葉をとめようとした時には遅かった。


「水崎先輩」

本名を
クチに出していた。


その時だった。


「水崎?水崎さん?」

女の一人がクビをかしげて遠くをみている。


そして何かを思い出したようなスッキリした顔をして


「水崎さんて
もしかして…」

そう指をさす。


後輩たちはかたまった。

山田改め、水崎もかたまった。


「どこの水崎でもええやんか。
ほら飲もうや」

フォローを入れたのは
隆太だ。

頭の回転のいい隆太は
その場を切り抜けることに関しては
天下一品だ。


隆太が上手く話題を変えてくれたおかげで
何とか元の空気にもどった。
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