水色の運命
「こんな遅くに女の子を一人で帰らすなんて…」

ノンはブツブツ言いながら歩いていた。

ブツブツ言ってる姿を他人に聞かれても
構わない。

変質者につきまとわれるよりも
自分が変質者だと思われるほうが
よっぽどマシだ。


大通りまで歩いて10分程度。

そこから
タクシーに乗る。

タクシーに乗れば
15分で自宅に着く。


拓人と遊ぶようになって
家が近所だと知って驚いた。


優しくて面白かった事が大半だが
少しだけ"運命"みたいなものを感じ、告白をOKした。


今考えれば
家が近いという事だけで運命を感じるなんて
あきれてしまう。


でも拓人のことが好きだから
"運命"を信じたい。


本当は
もっと優しくしたい。

本当は
もっと素直になりたい。

でも拓人といると
ワガママばかり言ってしまう。

本当は浮気の心配なんかしていない。

それでも
いつもあんな風に
拓人を困らせてしまう。
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