水色の運命
歩いて10分かかる距離を拓人は5分で来た。


「拓人。ごめんなさい」

息を切らしている拓人に向かって
あやまった。

きっと走ってきてくれたんだろう。


「一人で帰らせてゴメン」

息を整えながら
拓人もあやまった。


「週末、楽しんできて」

そう素直に言った瞬間…

拓人は
ノンの小さい体を
包み込んだ。

そして

「本当はムカつくとか思ってないから」

と言いながら
チカラいっぱい抱きしめた。
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