LTGg





"ピンポーン"




チャイムが鳴る。



『やっと来た』



ドアを開けると、
少し息を切らした彼が
微笑みながら立っていた。





『ごめん、遅くなっちゃって』





私の目を見ず
伏せ目がちに 言う。

高い 渇いた 声。


少し瞳が潤んでるのは
外の風が冷たかったからだろう。



私は彼の伏せた目を
しばらく見続けながら



今日の コト を考えていた。






しばらくの 間 。





すると彼が困ったように



『あの・・・入っていい?』



『あー どうぞ』



ぶっきらぼうな私の言葉に、

何故か少し彼は笑った。
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop