alter ego～君と僕～

「好きになってもらえない事が悲しかった。

別れた後もアンタがいつも通りでいる事が悔しかった。

アンタを慕うヤツがいる事が、羨ましかった…」



優姫は俯いた。



「あたしさ、レズじゃんか。周りに、その事を理解してくれる人、いなかったんだ」



優姫…。



「はるはるは、理解してくれると思ったんだ。自分を『僕』って呼んでたから、あたしと、同じだと思った」



優姫は力無く笑った。



「嬉しかった。気持ちを共有出来ると思ったから。誰かが、傍にいてくれると思ったから。

…だから…。

それが、あたしの勘違いだって気付いた時、冷静でいられなくなった…」



優姫の目元が光る。



「…ごめんね…。

はるはる…。

ごめん…」