alter ego~君と僕~
「遥日っちゃん?

どーしたん?」



名前を呼ばれるのって、むずがゆいっていうか、変な感じ。



手を振る。



「あ、いや。大した事じゃないから…」



優姫は頬を膨らませた。

手を掴まれる。

ずんずんと歩く優姫に、どんどんと引っ張られる。



「ゆ、優姫?」

「言いかけ」

「え?」

「何か、言いかけたでしょ。話してもらうから」



優姫、力強いなぁ。



「でも、授業が始まっちゃう…」





「いっぱい話そう、遥日っちゃん」





優姫は、悪戯っぽく笑った。


< 119 / 150 >

この作品をシェア

pagetop