alter ego～君と僕～

「はい…。大した事じゃないんですけど…」

「よく言うよ。パニクってたクセに」



黙っててって。



「はるはるが悩むなんてなかなかの事じゃない？この凜姉さんに話してみなさい」



苦笑。



「凜姉さん、ですか」

「私、大学生だし？」

「早く本題に入ったらどうだ？」



あぁ、そうだ。



「実は今日、ふられちゃいまして…」

「おいおい。ボクの紹介はしてくれないのか？」



『多重人格者になりました』なんて言えないし。



凜は口の端を上げた。



「へぇ。はるはるは、ふられたくらいで傷付く様な、ナイーブなコだったんだ？」

「はは…」



違いますけど。