alter ego~君と僕~
航は鼻を鳴らした。


「いつも遅刻ギリギリのくせに、今日は早えぇんだな」


優姫はにたり、と笑った。


「あたしだってぇ、たまにはぁ、早く来るよぉ」

「遥日。優姫の目を見てみな」


あ。すごく充血してる。


「何時起きだかな、このくそアマは?」



…くそアマとか、言わないで…。



「航くん、頭、洗お?」

「おう」

「七海くぅ~ん。洗いすぎで遅刻しない様にねぇ~?」

「ふん。お宮の中の優しい姫が、聞いて呆れるな。なぁ、遥日?」





僕は応えなかった。


< 39 / 150 >

この作品をシェア

pagetop