alter ego~君と僕~
水道。



航は頭から水を被った。



ハンカチを差し出す。


「お。ありがとな」


航は丁寧に髪を拭いた。


「じゃあ、これ、洗って返すな!」

「いいのに…」

「礼儀だ、礼儀」

「遥日。航は正しい」



…解ったよ…。



「はるはる」

「何…?」

「俺は…―」





始業のチャイム。





「航くん。何?」

「あ、いや、何でもない」

「そう…?」

「そんな訳無いだろう。つくづく、間の悪い奴だな。…少し、同情するよ」



メイル?





僕には、メイルが何を言ってるのか解らなかった。


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