alter ego~君と僕~
「航くん」

「何、はるはる?」

「僕達が小二ぐらいの時の事、覚えてる?」



航は身を強ばらせ、顎を撫でた。



「…覚えて…ない」

「そう…」



残念だなぁ…。



「…七海くん。嘘吐きはあたしの始まりだよ」



航は眉を寄せた。



「優姫、何を…?」

「七海くんが今、顎を触ったでしょ。それは嘘を吐いてるサイン」

「中宮。手前、テキトー吹いてんじゃねぇぞ」

「航くん。本当に、覚えてないの?」

「本当だって!」

「また、嘘。足の爪先がはるはると逆を向いてる。逃げ出したいサイン」



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