【企画】落下した青で窒息死
いよいよプロのカメラマンとして活動を始めた彼は、とても忙しくなった。
私にも充実した仕事があって、二人の都合を合わせることは、とても困難で。
だからこそ努力して一緒に過ごせる時間をつくり、それを大切にしようと思っていたのに。
彼はそんな私のやる気をことごとく削いでくれた。
たとえば、私が自分の把握しうる限りのスケジュールを彼に伝えたとする。
いくら彼の仕事が一般的な尺度からして不規則とはいえ、おおまかな予定ぐらいはあるはずで。
だから、お互いのスケジュールを照らし合わせて、じゃあ何日は休みが重なってるから会おう、
という具合に連絡を取り合うのが当然だと思うのだけれど。
待てども待てども、彼から返事が来ることはなかった。
代わりに、残業してよれよれになって帰宅した家のドアの前に、何の前触れもなく彼が座りこんでいたり。
カラスも鳴かない早朝に押しかけてきて、筑前煮が食べたいと言ってみたり。
(筑前煮は手間がかかるから、そのときは肉じゃがを作ってあげた)