【企画】落下した青で窒息死
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終点を告げるアナウンス。
思い出をたどっている間に、ずいぶんと長い時間が経っていた。
行き先など決めていない。
とりあえず、いったん下車して、さらに北へ向かう列車に乗り換えることにする。
ホームに出ると、やっぱり風は冷たくて、ストールに顔を鼻までうずめた。
それでも今は、できるだけ彼から遠く離れたい。
その一心で、北を目指す。
大丈夫。
切符を切ってくれる車掌さんだって誰だって、いじけた子供みたいな私の滑稽さになど気づかない。
そう、滑稽だと思う。
分かっている。
でも、もう駄目なんだ。
心が、折れてしまった。