私vs国連
二人が由比ヶ浜に到着すると、すでに沿岸に国連の旗を掲げた艦隊が到着していた。そして、艦隊の中から一艘のボートが浜に向かって走ってきた。ボートには五人の人物が乗っていた。
彼らは全員全身タイツに頭をすっぽりと覆うヘルメットを着用していた。ただしそれぞれが白、赤、青、ピンク、緑、と割り当てられた色で全身を統一している。
五人は浜辺に到着すると、静子に向かって横一列に並んだ。中心に立つ白い全身タイツが、
「治安を乱す愚か者め、俺達がやっつけてやる。俺の名は、ホワイトアメリカ!」
続けて彼らは、赤、青、ピンク、緑の順に自己紹介をした。
「レッドチャイナ!」「ロシアンブルー!」「ピンクフランス!」「グリーンイングランド!」
全員が自己紹介を終えると、最後は五人同時に「常任戦隊・タイコクファイブ!」と見事にハモッてみせた。
「かかってこいやァ!」
静子はペットボトルを構えた。

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