【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
揺るぎない回路
結局今日も、なんだかんだ言って秋月会長のバイクに乗ってしまった。
正門へ向かっていく秋月会長の背を視界から外して、流されやすい自分にそっと溜め息をつく。
会長が向かう先には、ユキトさんが……と想いが改めて湧き出しそうになり、私は昇降口へ向かう足を速めた。
きゅっと痛む胸は、教室へ入っても消えることはなくて。
気を紛らわす会話を求めようにも、
友人とは距離が出来たまま。
もっとも、距離がなかったなら会話をしたかと言われたら、
たぶんしないんだけど。
自分勝手だなと思う。
自分の気持ちすらグチャグチャなのに、他人の気持ちを思いやるなんて、
出来るくらいなら今頃、ひとり席に座って悶々としてない。
友人たちは、目があったら挨拶くらいはしてくれたけど、
あからさまに視線を外されて、ちょっとへこむ。
まだサキの怖さが持続中らしい。
そのサキは、と言えば。
「うっは。しけたツラ!」
──私の顔に爆笑していた。