【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
問題はそのコハルさんって人がどうして知っていて、
どのくらい広まっているかだ。
不安を抱えながらその辺りのことをサキに問うと、彼女はあっけらかんと言った。
「どうだっていいじゃん。
モテるし、誰が言ったかなんて、みんないちいち覚えちゃいねーよ」
それはまぁ、そうなんだろうけど。
でも言った本人としては、その『みんな』がどのくらいなのかを知りたいのは当然じゃないだろうか。
私はまたももやもやとした顔をしていたのか、サキが笑いをこらえながら言う。
「そんなに気になるなら、チョクで本人にきけよ。
自分で確かめりゃいい。うん、それがいい」
話を勝手に進めて勝手に納得すると、サキは強引に私と約束をとりつけた。
今日の放課後、生徒会室へ行くという約束。
なんだってもう、最近の私はこんな人とばっかり関わりが出来てんだろう。
コハルという人へも一抹の不安がよぎる。
それに、生徒会室には、ユキトさんも……
「あんたも本人を知れば……」
サキが声のトーンを落とした。
丁度教室に先生が入ってきて、机椅子の動く音が被さり、うまく聞き取れなかった。