【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
「ダサいって言うな」
「本当のことでしょう。
彼女が困ってるの、通りすがりの俺にだってわかりますよ。
ナツキ先輩であれば、相手してくれる女の子なんて他に沢山いるでしょうに」
そこまで後輩に言われたナツキは、バツの悪い顔くらいするかと思いきや、
意外にも吹き出した。
「なんだ、えらく饒舌だなー。
ふーん、なるほど」
企み顔で私のカバンから手を離す。
無意識に近い状態で、私はカバンを抱きかかえた。
ナツキは、相手が両手にプリントを抱えてるのをいいことに、身長差を知らしめて牽制するみたいに、ずしっとコハルの肩に肘を乗せる。
「……なんですか」
「いーや、別に?
嫌がる子に無理矢理言うこときかすの、確かにオレの趣味じゃねーわ。
……悪かったな」
前半部分はコハルに対して、後半の一言は私に向けて言った。
「はあ……」
「てっきり強引なのがお好みなんだろーと思ったんだがな」
「え?」
「いや、こっちの話」