【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
両手と片肩の重さに顔をしかめながら、コハルが抗議の声を上げる。
「もういいですか。
これ、早く持って行きたいんですけど」
「もういいですかって、声掛けて来たのお前だろうがよ。
ま、掛けさせるような事をしてたのはオレか。
よし、手伝ってやる。
じゃーな、結香チャン。
返事は保留ってことで」
「返事……?」
勝手に一人で納得して、ナツキはコハルから肘をどかすと、
両手に重ねられてたプリントの半分を、もぎ取るように奪っていた。
「突然落ちるモンだったみたいって話」
意味深に笑顔を見せると、くるりと背を向けて、コハルより先に歩き出す。
後を追うコハルは私に目だけで挨拶をすると、少し苦々しい顔でナツキの背中へ声をかけながら去っていく。
「突然……落ちる……?」
まさか、ね。
からかわれてるんだ、うん。