【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


先に行くこともせず、私のペースに合わせて並んで歩いてる。


もちろんそんなんじゃ朝の挨拶に間に合う筈がない。



「……風紀委員長がこんな時間で大丈夫なんですか」



心配からじゃなくて、一緒に歩きたくない気持ちからそう言ったのだけど、

ちょっと皮肉すぎたかな。



チラリと表情を窺うと、「へーき」と言葉が返ってきて。

こたえてないみたい。



同時に向けられた笑顔が、意外に優しかったことにどぎまぎする。



校門に近付き、だいぶ増えて来た生徒たち。



『今日は風紀委員長が女と歩いてるよ』とばかりに、ちらちらと視線を向けてきている気がする。



つい先日までは生徒会長で、今日は風紀委員長。



朝の挨拶時間にまだこの辺りをウロウロしてるなんて、風紀が乱れてるとか言われても、

私知らないからねっ!!



どうか、歩いてるおんなが同一人物だと、気付かれませんように……っ


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