【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
虚をつかれた表情を浮かべる秋月会長に、私は思いっきり動揺した。
自分の言葉にも動転し、泣きそうになりながらもなんとか言葉を出す。
「ち、違います! 今のナシで!! ほんと違うんです……!」
あれじゃまるで、あれから毎日、秋月会長を待ってたみたいじゃないか。
まるで秋月会長が来てくれなくて寂しいみたいじゃないか……!
目をぎゅっとつむって、イヤイヤをするみたいに首を振る私の後頭部を、少し冷たい手のひらが包み込む。
そのまま引き寄せられ、私は秋月会長の胸に頬を押し付けるみたいになった。
「悪かった」
ほんのりスパイシーな甘い香りと共に、低く掠れた声がふわりと私に届く。
「だから、違……っ」
言葉では抵抗しながらも、顔をうずめたままでいる私はずるい。
抵抗したら、真っ赤に染まった顔が秋月会長に見えてしまう。
見られてしまいたくないから、私はされるがままになっていた。
謝らないで下さい、とも言えないままに。
わかってる、と秋月会長は言葉を落として、もう一方の手も私のからだに回す。
そして、ぬくもりで私を包んだ。