【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
最大の理由は違うと、わかってる。
もちろん、訊いても教えてくれなそうだから初めから訊かないというのも理由だけど、
それ以上に、
面と向かって『お前に関係ない』と言われるのが、怖いんだ。
秋月会長が離れ、距離が出来る。
視線もそらされた。
ズキン、と心臓が痛む。
まるで彼の世界から弾かれたように感じ、そんなことを感じた自分にショックを受ける。
秋月会長にだって、他人に知られたくないことがあるだろう。
誰にだってある。
わかってはいるけど、心の奥がモヤモヤする。
──悔しい。
ズカズカ踏み込んでくるくせに、私が踏み込むことは許さないって雰囲気で。
切なそうにしたり、突き放すようにしたりする秋月会長に、振り回されてばっかり。
会長当人は、そんな私の気持ちなんて知るよしもなく、無言でくるりと背を向ける。
そのまま遠ざかろうとする背中に、気付けば声を掛けていた。
「あのっ……すみませんでした」
口をついたのは謝罪の言葉で、立ち止まった秋月会長は少しだけ振り向いて眉をひそめた。