【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「あーそうだった。

強化月間の件。来月に決まったってよ」


目を揉んだままいる秋月会長に、ナツキはずいっと顔を近付ける。


「つーかさぁ、メールくらいやれよ。

いちいちここまで来んのかったりーし、しずくはうるせぇし」

「おい。なんであたしの名前が出てくんだよ。関係ねーだろーが」


「あーれれ?

さっきまでオレを目の敵にしてたのはどなた?」


今度は反対にぐっと上体をそらして、立ち位置はそのままに、上半身の向きだけを、サキの机があるほうへ向ける。


それがまたサキをおちょくる感じなものだからか、ユキトさんが仲裁役に入ろうと口を開いたのがみえる。


しかし意外なところから声が上がった。


「痴話喧嘩は余所でやれ」


秋月会長だ。


間髪入れずにサキが吠える。


「あたしとコイツはとっくに別れたっつーの!」


……え。


「付き合って、た、んですか」


あまりの驚きに、変なところで言葉が切れた。


むっつりと黙り込んでしまったサキに変わって、ナツキがにへらっと答える。


「まぁね。あ、でも今は付き合ってないし、結香チャン一筋だから」


< 222 / 299 >

この作品をシェア

pagetop