【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
「あーそうだった。
強化月間の件。来月に決まったってよ」
目を揉んだままいる秋月会長に、ナツキはずいっと顔を近付ける。
「つーかさぁ、メールくらいやれよ。
いちいちここまで来んのかったりーし、しずくはうるせぇし」
「おい。なんであたしの名前が出てくんだよ。関係ねーだろーが」
「あーれれ?
さっきまでオレを目の敵にしてたのはどなた?」
今度は反対にぐっと上体をそらして、立ち位置はそのままに、上半身の向きだけを、サキの机があるほうへ向ける。
それがまたサキをおちょくる感じなものだからか、ユキトさんが仲裁役に入ろうと口を開いたのがみえる。
しかし意外なところから声が上がった。
「痴話喧嘩は余所でやれ」
秋月会長だ。
間髪入れずにサキが吠える。
「あたしとコイツはとっくに別れたっつーの!」
……え。
「付き合って、た、んですか」
あまりの驚きに、変なところで言葉が切れた。
むっつりと黙り込んでしまったサキに変わって、ナツキがにへらっと答える。
「まぁね。あ、でも今は付き合ってないし、結香チャン一筋だから」