【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


「うぜぇ、ほんとうぜぇ。
女とみりゃヘラヘラヘラヘラ寄り付きやがって」


「顔が人並みだから、愛想良くしなきゃ印象付けらんねーんだよ、悪ぃな。

それにオレ、女の子大好きだし。

あ、でも女なら誰でもいいってワケじゃねーから。

一筋だからそこは安心して結香チャン」


「一筋? どのツラ下げて言ってんだよ。

あたしと付き合ってるときに何股かけてたか、言ってやろうか」


「だからそれは誤解だっつってんだろ。

勝手に勘違いしてキレたの、しずくじゃねーか」


「とっかえひっかえ、ヘラヘラヘラヘラ腕組んで街中ぷらぷら歩いてりゃ、立派な浮気だコノヤロウ。

な、そうだろ結香」


「え……と……」


いきなり話を振られて、たじたじになる。


街中を腕組んで歩いてたら浮気かどうか……難しい問題だ。


腕を組むくらいじゃ浮気とは言えないけど、

密着してる前後には何をしてたのか、それが問題だ。


しかもお相手は複数。


だけどナツキの普段の態度からして、何もないようでもあり、あったとしても不思議じゃないようでもあり……


うーん、と考え込んだ私の隣で、溜め息が聞こえた。


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