【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
ぎくしゃくと立ち上がった私の耳に、
ふうん、とナツキがこぼした声が入った。
「『俺の客』ってそーゆーコト。アキと帰るために、結香チャンはここで待ってたのか」
そうなんだけど、
改めて第三者の口から言われると、心がもぞもぞする。
いまは誰の顔もまともに見れる気がしない。
俯きがちにそろそろと秋月会長の方へ歩いた。
「さーて。用事済んだし、オレも帰るわ」
ナツキは誰へという事もなくそう言うと、
突如私の手首を引いた。
反射的に顔を上げると、笑顔がこちらを覗き込む。
「結香チャンて帰宅部?」
「へ……? はぁ、部活はやってないですけど」
脈絡のない質問に、
何か部活に入れと言われるのかと、多少身構えながら答えると、
ナツキは、にこっと笑った。
「じゃあアキを待ってるの大変だろ。
明日からオレが送ってやるから」