【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
私はこんなにも、心臓が壊れそうな程、ドキドキしているのに。
秋月会長は顔色ひとつ変わってない。
「……顔赤いぞ」
「あ、あかくなんて、な、ないです!」
全力で否定はしたけど、赤くなってるのは自分が一番よくわかってた。
だけど赤くなってる原因が、怒りなのか、それとも違うものなのか、わからない。
私ばかりが意識して、なんともないでいる秋月会長が悔しいのだろうか。
それとも。
「おい」
「な、なんですか」
「飲まないなら行くぞ」
一向に口をつけようとしない私。
飲み終わるのを待つ事に痺れを切らしたのか、秋月会長は言った。
「……はい」
定まらない気持ちを抱えて、私は小さく頷く。
レモンティの微かな苦味だけが、ほんのりと舌の上に残っていた。