【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
「嫌なわけじゃ……会長の家って近くなんですか?
帰るの遅くなっちゃう……」
「そんなことオマエが気にするな」
「でも……」
別に心配してるわけじゃない。
ただ、もしうちからの帰りに何かあったりしたら、夢見悪いというかなんというか。
見た目ひょろっとして絡まれやすそうだし、
言葉が圧倒的に足りないから、インネンつけられても回避出来なそうだし……
「いいから大人しく送られとけ。何かあってからじゃ遅いんだ」
ぽすっと手のひらが私の頭の上に乗る。
一瞬だけだったけど、私に存在感をしらしめていった。
打つ心臓が速すぎて、もうそれ以上速くなることはないと思ったけど、
大きく跳ね上がるという方向に向かう。
いつもと違う筋が使われてるのか、心臓がはげしく痛む。
そんな風に言い合っている間にも、秋月会長の足は進んでいて、私はちょこちょこと並ぶように追いかけていたから、
玄関までもあっという間だった。