【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
「じゃ、明日から20分早く出るからな」
「へ……?」
一瞬何を言われてるかわからなくて、きょとんとしてしまったけど、すぐに行き当たる。
そういえば秋月会長が朝の挨拶に間に合うよう、お迎えの時間を早くするとか言ってたっけ。
私を置いていくという選択肢は、と言いかけたけどやめた。
少し前の私なら言ってただろうけど、校門でユキトさんに会わないようにという秋月会長なりの配慮だと気付いてしまったから。
だけど……もう私、ユキトさんを見ても、失恋直後のようには落ち込まないんだけどな。
胸はまだ痛むけど、泣きじゃくるほどではないし、
どちらかといえば今のほうがドキドキと痛いかも。
それに秋月会長の気遣いは嬉しいけど、
もし朝、ユキトさんに挨拶出来るようになったら、
一緒に登校することもなくなるのかなって考えると、
胸がきゅっと痛くなる。