【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ


さぁっと顔から血の気が引く。


フリーズした思考に今度は羞恥が押し寄せ、真っ赤になる。



ああもう!

あんなこと口走っちゃうなんて!

間接キス如きに狼狽してる心が、筒抜けじゃないか!!



「ち、違います!

あ、あれです、昨日のドラマで──」



わたわたと取り繕おうとするけど、かなり苦しい。


とってつけた言い訳と話題逸らしだというのがバレバレだ。



「間接キス?」

「わー! なんでもないです忘れて下さい!!」



案の定、意識が逸らされてはくれなくて、

しかもそれが、何事にも興味のなさそうな秋月会長の興味を、結果引いてしまうことになった。



私がぶんぶんと手を振って拒否する傍ら、

記憶を呼ぶように額に触れて、軽く考え込む。



先ほどの行為は心当たりにひっかかからないらしく、

眉を寄せて真剣に思い出そうとしはじめた秋月会長。



そこまでされると、本当に自分だけがアワ食ってたのが浮き彫りになるから、やめていただきたい。


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