【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
心臓が一瞬にして冷える。
「え、えーと……」
要領を得ない私の言葉をかき消すように、めきっとドアが圧される音がして、力任せに開け放たれた。
じりじりと後退した私の腕に、逃がさないとばかりに、手が伸びて強く握られ拘束される。
「もう一度、言ってやろうか。──なに一人で納得してんだ」
けっして大きな声じゃないのに、恫喝されたかのように身がすくむ。
ゆっくりと区切っての台詞は、私にわかりやすくというよりも、怒りを無理矢理抑えているかのよう。
怒らせた──
不機嫌とか苛立ちとか、
そんな顔付きじゃない。
本気で怒ってる。
いっそ怒鳴られたほうがマシなんじゃないかと思わせるくらい、冷徹なオーラ。
「憶測でものを言うんじゃねぇ」
態度も空気も冷ややかなのに、声と瞳の奥だけは熱を含んでいる。
視線をそらせないでいる私へ、秋月会長が攻め寄ってきて、ほんの刹那、
唇が触れた。