【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
次の瞬間には、こちらを見下ろす秋月会長の顔が見えるくらいの距離が出来る。
目を見開いて茫然と見つめかえす私に、秋月会長は言った。
「言ってみろよ」
低く、掠れた声と、
甘く、スパイシーな香り。
そして眼鏡の奥の、真摯な眼差し。
「俺の顔は、態度は、何て言ってる?」
問われた私の頭の中は真っ白で、からだも全然動かなくて、
唯一動いてるのは心臓だけ。
他が動かないぶん、全てのエネルギーが鼓動にいってるみたいに、
いやに速い。
一向に口を開かない私に、秋月会長が囁いた。
「泣くな。──それから」
微動だにしない私から左手が離れ、ゆっくりと自身の眼鏡を外し。
「足りねえ」
声を押し込むように、
唇を落とした。