【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
それともそれは穿ち過ぎで、ただ単に私の顔がヒドいとか、そういう事だろうか。
さっき鏡で見たばかりの顔を思い返したけど、
マッハで顔ごとそらされるほどには、ヒドい顔していないと思いたい。
「……行くぞ」
昨日のキスには触れずに、背を向けて歩き出した秋月会長。
──当たり前か。
いきなり開口一番、話題にされても困る……気もする。
触れられない事にほんの少しホッしながらも、もやもやは心に広がっていく。
なんでそんな、何事もなかったように振る舞えるの。
秋月会長にとって、とるにたらない些細なことなのだろうか。
足が止まったままの私に気付いたのか、
少し先に行った秋月会長も立ち止まった。
億劫そうな横顔を見せるから、
とにかく足を動かさなきゃと思ったそのとき。
「昨日の。謝らねぇから」
ぶっきらぼうな言葉が、届いた。