【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
優先させた気持ちが会長のものだというなら、
それは、なに。
言ってよ。
言ってくれなきゃわかんない。
事の発端は私が引き起こしたのに、まるで他人ごとみたいだ。
リアルなのは、一晩経ってもおさまらない私の心臓だけ。
だけど秋月会長はそれ以上踏み込まず、
チッと軽く舌打ちをして腕時計をみる。
「喋り過ぎた。行くぞ」
背を向けて歩き出した秋月会長。
言葉が続けられなかったことにほのか沈力しながら、
心のどこかで安堵し、私は知らずに止めていた息を吐いた。
秋月会長は、今日はバイクはもちろん、自転車もない。
完全に徒歩。
それが私に合わせての事なのは明らかだけど、追う私に歩調を合わせてはくれない。
ようやく並んだ時に、
「少し急ぐぞ」
と声が降り注いだ。