【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
「気になる、か……?」
「うん、気になるよ」
アッサリと返したユキトさん。
秋月会長って、確かに女の子を寄せつけないというか、
寄りつかないもんな……
それなのにいきなり私に構うから。
朝の挨拶にも遅れたりして、なのに女の子と一緒に登校をして、
帰りも生徒会室で待たせたりして。
そりゃあ気にするなというほうが無理だ。
納得しつつも、そんなんでユキトさんの印象に残ったのかと思うと、
振られた身としては、それはそれで複雑。
「なに。そんな怖い顔して」
「してねぇよ」
「してるよ」
微笑んだユキトさんに、秋月会長は更に顔をけわしくする。
「……ウゼェ」
会長が吐き捨てるように言った言葉は、何度も耳にしたもの。
だけど心が痛む度合いは、慣れるどころか逆に、ますます酷くなる。
たとえユキトさんに向けられたものだとしても、心臓がキリリと痛い。
当事者であるユキトさんは、会長の『ウゼェ』という態度ににこりと笑った。
「アキはほんとわかりやすいなぁ」