【唯我独尊カレシ。】俺様*オマエ*まるかじりッ
反応は、あった。
だけどそれは、私が思っていたものとは、かけ離れたものだった。
別に、フレンドリーに接してもらえるかもとか、そんなことを期待してたわけじゃない。
ただ挨拶を返してはくれるだろうと、ほんのそれくらい。
だったのだけど。
きょとんとした顔で、ユキトさんは言った。
「オレ……だよね、ユキトって。
えっと、こんにちは」
それは、初対面に対してする挨拶と、何ら変わりがなくて。
いや、たぶん、初対面だとユキトさんは思ってるのだと、困惑した表情がまざまざと突きつけてきた。
昨日の告白をなかったことにされるとか、そんなんですらない。
告白したにも関わらず、彼の中に私の印象は皆無だったという現実に、私は泣きそうになった。
じくじくと痛む失恋のキズに、冷たい氷をあてがわれたような、そんな悲しみ。
「お、ユキトじゃん。あれ、この子は?」
私の背後から、軽く明るい声が聞こえた。
恐らくユキトさんが気付き、話しかけるために近付いてきたのは、この人にだったんだ。